小児科

研修期間:1ヶ月

 中頭病院小児科は1982年の開院以来、中部地区の地域中核病院として三次医療機関の県立中部病院及び、琉球大学医学部と連携し、主に二次患者の入院治 療と一般 小児科のプライマリケアを担っています。

 対象患者が胎児~15歳と範囲が広いため、小児科は複数の指導医で対応します。

 小児科で他科と著しく異なるポイント〔対応の仕方、投薬量、輸液量 、カロリー、処置など〕がありますが、外来・入院を通してそのポイントを学びます。

 日常生活で取り扱う疾患〔呼吸器感染症、アレルギー疾患、消化器疾患、尿路感染症など〕の診断と治療を中心に研修を行いますが、新生児においては一般 新生児の管理と病的新生児の診断と治療および、帝王切開時の処置なども研修します。

 外来では診断に至る経過を学び、時間外の夜間外来においては小児の救急〔喘息発作、熱誠痙攣など〕及び、その対応を研修します。

 病棟では、指導医とともに担当医となり、回診を通して検査データの解釈や治療及び、母親への対応の仕方を学びます。

 週1回の抄読会では、研修医自ら興味のある外国文献を発表し、質問の受け答えをすることで、近い将来の学会発表に備えます。

1.面接・指導

【一般目標】
・小児ことに乳幼児への接触、親(保護者)から診断に必要な情報を的確に聴取する方法及び、指導法を身につける。
【行動目標】
・乳幼児は元来、診療に非協力的であることを踏まえ、それを受容した上で適切な診察ができる。
・母親(家族)が何を求めて受診してきているのか、その受診動機、受診行動を理解・共感した態度で診療に臨める。
・親(保護者)から、発病の状況、心配となる症状、患児の生育歴、既往歴、予防接種などを要領よく聴取できる。
・親(保護者)に対して、指導医とともに適切な病状を説明し、療養の指導ができる。

2.診察

【一般目標】
・小児ことに乳幼児への接触、親(保護者)から診断に必要な情報を的確に聴取する方法及び、指導法を身につける。
【行動目標】
・小児の正常な身体発育、精神発達、生活状況を理解し判断できる。
・小児の年齢差による特徴を理解できる。
・視診により顔貌と栄養状態を判断し、発疹、咳、呼吸困難、チアノーゼ、脱水症の有無を確認できる。
・乳幼児の咽頭の視診ができる。
・発疹のある患者では、発疹の所見を述べることができ、日常遭遇することの多い疾患(麻疹、風疹、突発性発疹症、猩紅熱など)の鑑別 を説明できる。
・下痢患児では、便の性状(粘膜、血液、膿など)を説明できる。
・嘔吐や腹痛のある患児では重大な腹部所見を説明できる。
・咳をする患児では、咳の出かたと呼吸困難の有無を説明できる。
・痙攣や意識障害のある患児では、髄膜刺激症状を調べることができる。

3.手技

【一般目標】
・小児ごとに乳幼児の検査及び、治療の基本的な知識と手技を身につける。
【行動目標】
・単独または、指導者の下で採血ができる。
・皮下注射ができる。
・指導者の下で、新生児、乳幼児の筋肉注射、静脈注射ができる。
・指導者の下で、輸液、輸血ができる。
・指導者の下で、導尿ができる。
・浣腸ができる。
・指導者の下で、注腸、高圧浣腸ができる。
・指導者の下で、胃洗浄ができる。
・指導者の下で、腰椎穿刺ができる。

4.薬物療法

【一般目標】
・小児に用いる薬剤の知識と薬用量の使用法を身につける。
【行動目標】
・小児の年齢区分の薬用量を理解し、それに基づいて一般薬剤(抗生物質を含む)を処方できる。
・乳幼児に対する薬剤の服用、使用について、看護師に指示し、親(保護者)を指導できる。
・年齢、疾患等に応じて補液の種類、量を決めることができる。

5.小児の救急

【一般目標】
・小児に多い救急疾患の基本的知識と手技を身につける。
【行動目標】
・喘息発作の応急処置ができる。
・脱水症の応急処置ができる。
・痙攣の応急処置ができる。
・腸重積症を判断し、注腸造影と整復ができる(不可能な時は速やかに指導医に連絡する)。
・酸素療法ができる。
・気管内挿管、人工呼吸、胸骨圧迫式マッサージなどの蘇生術が行える。
・動脈血採取及び、血液ガス分析ができる。
・指導医の下で、適切な鎮静・睡眠剤を使用できる。